はじめに
Minecraft(Java版)をプレイしていると、こう思うことがあります。
確かにMinecraftはサバイバルにクリエイティブ、コマンドにレッドストーンと自由度が高いゲームとして知られていますが、「オリジナルのアイテムの追加」というのは容易なことではない。そう思う人も少なくないでしょう。
しかし、その夢、MODを制作すれば叶っちゃいます!

そう思うのも無理はありません。なんだか難しそうなプログラムがずらりと並んでいるイメージが先行してしまいます。しかし、実際のところは、手順通りにコピペすれば案外なんとかなるものです。
本シリーズでは、自分だけのオリジナルのアイテム・世界観を構築するためのMOD制作について、ゼロから丁寧に解説していきます!
- 自分だけのMODを作ろう!
YouTube動画はこちら
本記事の内容について解説したYouTube動画を作成しました。上記より視聴できます。本記事の画像の一部は動画より持ってきています。
そもそも
本格的な作業に入る前に、そもそも「MODとは何か?」を確認しておきましょう。
工業化、魔術、新しい冒険の世界…。これらは全て、ユーザー自身の「もっとこうだったら面白いのに」という想いから生まれたものです。
デフォルトのゲームがよく「バニラ」と称されますが、それに対するMODはフレーバーです。MODを導入することで、デフォルトのゲームに対して新たなトッピングを追加し、よりゲームに面白みを加えることができるのです。
さて、このMODですが、いわゆるデータパックやリソースパックとは似て非なるものです。端的に図で表すと、こんな感じ:

リソースパックやデータパックも、もちろんゲームの要素を改変・編集することはできますが、前者は見た目の部分だけしか扱えず、後者もより自由度が高いとはいえ、ゲームに元からある範疇を超えることはできません。それに対して、MODはゲームそのものに新たな要素を挿入することができるという点で、これらとは明確に一線を画す存在です。
- リソースパック:見た目や音を変える「お化粧」
- データパック:元からあるレシピや進捗を変える「料理レシピのアレンジ」
- MOD:新しい素材やルールを発明する「新しい食材そのものの発明」
このシリーズでは、オリジナルのMODを完成させることを目的とします。ぱっと見難しそうですが、一歩ずつ進めていけば必ずできるはずです!
- なお、MODの制作にあたっては、そもそもとしてMinecraftのJava版が必須です
必要なもの
さて、MOD制作にあたっては、Minecraftとは別に必要なものが3つあります。
- Java Development Kit (JDK)
- IntelliJ IDEA (Community版)
- MOD Development Kit (MDK)
まず、MODを作る前にこれらのインストールを行いましょう。
Java Development Kit (JDK)
JDKとは、Java Development Kitの略です。MinecraftはJavaという言語で制作されているため、MODの制作にあたっては、Javaの開発キットが必要になります:

JDKのダウンロードはこちらから:
実はマインクラフトのバージョンによって推奨されるJDKのバージョンも異なります:

今回は比較的新しいバージョンで使われる、JDK17を用いてみましょう。JDKのページのうち、上の部分から選択することができます:

選択後、自分のOSにあったものを選択し、適当な場所にexeを保存しましょう。これをダブルクリックすると、インストールウィザードが表示されますが、全て「OK」を選択すれば大丈夫です:

インストールには時間がかかるので、気長に待ちましょう。
Intellij IDEA Community Edition

続いて必要になるのが、Intellij IDEAのCommunity Editionです。これは統合開発環境(IDE)のことで、簡単に言えばコードを書いたりエラーの修正をしたりするための高機能なエディタのことを指します。MOD開発で現在主流なのはこれのCommunity Editionです。こちらもダウンロードしましょう。
こちらもダウンロード後、適当な場所にexeを保存し、ダブルクリックして実行しましょう。インストールウィザードが開くので、「次へ」を押すだけでOKです。

MOD Development Kit (MDK)
最後に必要になるのが、MDKです。通常、MODを一から作ろうとすると多大な労力が伴いますが、このMDKと呼ばれるMODの雛形を使えばその負担が大きく軽減されます。MODの開発環境には大きくForgeとFabricの2つがありますが、今回は、Forgeを使って開発していきましょう。ダウンロードはこちら:
左側でMinecraftのバージョンを選択できます。基本的に好きなバージョンを選ぶことができますが、1.20.1だと様々なMODのバージョンが対応しており、配布もしやすいためおススメです。ここでは1.20.1を前提に解説を進めます。

左下にある「Mdk」をクリックしてダウンロードしましょう。「Installer」ではありませんよ。
ダウンロードされるzipファイルを適当な場所に展開しましょう。これはこのMODの作業フォルダになります。
これにて必要なものが全てそろいました!
MODを作ってみよう
続いて、簡単なMODを作ってみましょう。
先ほどインストールしたIntellijを実行し、「Skip Import」を選択。「Welcome to Intellij」という画面が出たら、中央の「Open」を選択しましょう。
その後、先ほどダウンロードして展開した、MDKのフォルダを選択します。

プロジェクトが開けたら、画面右側の像のマークをクリックします。

その後、出てくるメニューの中から「forgegradle runs」、「genIntelliRuns」 の順に選択し、少々待ちましょう。ターミナルに何やら文字が出てくると思います。

これによって、「Gradle」というビルドシステムが構築されます。
- Gradleは最低限MODの開発に必要なので、忘れずに行いましょう
すると、Intellij上部に「runClinent」という実行モードが表示されるはずです。これを選択し、隣にある再生ボタンを押しましょう。

またもや、コンソールに何かが表示されるはずです。さらにしばらく待機します。
MODの確認
以上の操作を終えると、Minecraftが実行されるはずです:

そのまま「Continue」を押下し、Modsの欄を確認します。すると、「Example MOD」というMODが認識されていることが分かるでしょうか。これは、このMDKの雛形のMODそのままです。

具体的なMODの制作(アイテムの追加など)は次回の記事でやりたいと思うのですが、今回は軽くMODの名前と説明を編集してみましょう。
Intellijに戻り、main>resources>META-INF>mods.tomlの順に選択します。mods.tomlでこのMODの情報(idや名前、説明など)を定義しているので、ここを編集すればそれらを自由にカスタマイズできるということになります。

試しにdescriptionやdisplayNameを変えてみましょう。それに合わせてMODの表示も変わることが確認できると思います。

おしまい
ここまでMODの環境構築や最低限の設定についてお話してきました。これにてMOD制作の第一歩を踏み出すことができました!このようにゼロから1を作ってしまえば、あとは1を10にも100にもするのは簡単です。
次回は、このMODをさらに編集し、オリジナルのアイテムを制作していきます。おそらくYouTube側で早く更新されると思いますので、チャンネル登録をしてお待ちください。
立ち絵の使用など
琴葉茜 – 立ち絵(ユメのオワリ様 – im10706241)
結月ゆかり – 立ち絵(しりんだーふれいる様 – im10893830)