はじめに
タイトルにある通り、今回の1.21.20のアップデートは衝撃的です。
なんと、実験的な機能の「ホリデークリエイターの特徴」が削除され、アドオンの制作が困難になったのです。本記事では、具体的にどのように困難になったのか、今後のアドオン開発はどうなるのかについて解説します。
本記事の内容は、こちらのYoutube動画でもまとめてありますので、こちらも併せてご覧ください。
解説
まず、今回のアップデートであるver1.21.20の概要についてお話しします。
アップデートの内容
アップデートの内容については公式が言及しています。英語の記事ですが、こちらをご覧いただくと大枠は分かるかと思います。
https://www.minecraft.net/ja-jp/article/minecraft-1-21-20-bedrock-changelog
ぱっと見、バンドルが追加されただとか、バグがなくなっただとか良い内容が目につきます。実際、巷のマイクラYoutuberのほとんどがこの良い部分のみに注目しています。おそらく多くのマインクラフトプレイヤーは、本バージョンのこうした良い部分のみに注目することでしょう。
しかし、以下の部分については聞捨てなりません:
https://www.minecraft.net/ja-jp/article/minecraft-1-21-20-bedrock-changelogより引用いたします。
これによると、「ホリデークリエイターの特徴を削除した」ことが分かります。それにより、この実験的な機能に依存していた旧来のアドオンは悉く機能しなくなります。
影響
「どうせ、実験的な機能なんでしょ?」
そう侮ってはいけません。この変更でオリジナルアイテム制作に大きな影響が与えられます。というのも、旧来のオリジナルアイテムはこの「ホリデークリエイターの特徴」に依存していました。この機能がなくなることで、今後はオリジナルアイテムの制作が大変困難になります。オリジナルアイテムについてはこちらも併せてご覧ください:
逆に無事なのは、「APIスクリプト」です。この記事の読者ならご存じでしょうが、APIスクリプトとはマインクラフトの統合版でプログラミング(Javascript)を用いてゲームシステムを改変することができる機能のことです。
また、意外ですが「何もしないアイテム」は依然制作可能です。これはホリデークリエイターの特徴に依存せず、format_versionを1.20.0に変更することでこれまでと同じように機能します。
一方で、使うことができるアイテムなど、何かしらの機能をもつアイテムは制作することが非常に困難になります。このアップデート以降でそのようなアイテムを作る方法については次章で解説します。
今後のアドオン制作について
武器や食べ物といった、特殊なアイテムについては制作方法が若干変更になるものの、依然制作が可能です。詳細についてはこちらの記事が詳しいです。
一方で、eventsなどに依存していた、「使うことができるアイテム」については少々事情が異なります。というのも、前述のように、「APIスクリプト」は動作するので、必然的に「APIスクリプト」をベースとしたアドオン開発に移行することになります。
例えば、先ほど「使うことができるアイテム」は制作が困難だと申し上げました。「制作できない」ではなく「困難」と言ったのは、厳密には「APIスクリプト」を用いてアイテムの挙動の制御ができるからです。
例えば、アイテムを使用したときに発火する関数:
function kansu(item,command){
server.world.beforeEvents.itemUse.subscribe(ev => {
if (ev.itemStack.typeId == item){
ev.source.runCommand(command);
}
});
}
を定義するといった方法が考えられますね。
また、公式のアナウンスにもありますが、「カスタムコンポーネント(Custom component)」を用いるのも一つの方法です。こちらもAPIスクリプトに依存し、アップデート後でも動作可能です。カスタムコンポーネントについての詳細はいずれ記事にする予定ですので、少々お待ちください。
おしまい
このように、今回のマインクラフト1.21.20のアップデートは、我々アドオンクラフターに激震を与えました。「郷に入れば郷に従え」という言葉の通り、我々はただ開発元に従うほかないのですが、今回のようなやり方には些か不満を感じるのは私だけでしょうか?