青春18きっぷとは？
突然ですが、皆さんは「青春18きっぷ」をご存知でしょうか？
「青春18きっぷ」は、JRグループが発売している、JR普通列車が全線乗り放題になる夢のような切符です。お値段は2024年8月時点で12,050円で、５回分がセットになっています。つまり、１日あたり2410円でJR全線の普通列車が乗り放題になります。毎年春・夏・冬の３季に発売されることが恒例で、老若男女問わず多くの人に使われています。
なお、よく勘違いされますが、「青春18きっぷ」はその名前に反して年齢制限はありません。
本題
この「青春18きっぷ」に関して、よくこんな疑問が俎上に上がります。
「青春18きっぷで新幹線に乗れないの？」
本記事では、この疑問に対する回答を提示します。
結論
先に結論を述べますと、青春18きっぷで新幹線に乗ることはできません。これに対して、
「じゃあ、別に新幹線の特急券を買えばいいの？」
という疑問の声がよく聞こえますが、特急券を買っても新幹線に乗ることはできません。
新幹線に乗る場合は、その区間の乗車券と特急券が別に必要です。つまり、新幹線の下では青春18きっぷを持っていないのと同じということですね。
例外
しかし、例外もあります。それは以下の二パターン。
以下ではそれぞれについて解説していきます。
北海道新幹線の木古内⇔奥津軽いまべつを利用する場合
実は、青森県⇔北海道を結ぶJRの普通列車は存在しません。つまり、青春18きっぷだけでは青森県⇔北海道間を行き来できないのです。その救済措置として、JR各社は「青春１８きっぷ北海道新幹線オプション券」と呼ばれる切符を発売していまして、青春18きっぷとこのオプション券を併用することによって北海道新幹線の木古内⇔奥津軽いまべつ間および道南いさりび鉄道の片道が乗車できるようになります。
しかし、奥津軽いまべつに至る津軽線が2024年8月時点で運休中（廃線も決定済み）であり、接続も微妙なため、このオプション券で青森県⇔北海道間を行き来する人はそんなに多くはないものとみられます。一般的には青函フェリーのほうが安くて早く便利なのでそちらを利用する方が多数ですね。
運休が発生した場合の振替輸送
前述のように、大原則として青春18きっぷでは新幹線に乗車できませんが、災害などにより普通列車が運休した場合、代わりに新幹線に乗車できる場合があります。ただし、これはケースバイケースであり、運休が発生したからと言って必ず新幹線に乗車できるとは限りません。残念ながら、JR側が振替輸送を認めないとした場合、客側に抗弁の余地はありません。傾向として、JR東日本は新幹線の振替輸送に寛容な一方で、JR東海は振替輸送を認めない傾向にあるように思われます。
他の方の動画ですが、このような情報ソースが見つかりました：
特急にも乗れない
新幹線と同様に、特急列車にも乗車することはできません。どうしても特急列車に乗車したい場合、別に特急券と乗車券が必要です。（一部例外区間もあり）
私鉄にも乗れない
「青春18きっぷ」は、あくまでJR普通列車が全線乗り放題になる切符であり、私鉄に対しては有効ではありません。したがって、私鉄には原則乗れないものだと心得ておくべきです。しかし、こちらにも例外があります。それは、以下のような場合。
基本的に、新幹線の開業によって飛び地路線となったJR線に乗車できるための処置となっています。従って、途中下車に関して大幅な制限がある点には留意するべきでしょう。途中下車できない駅で途中下車した場合、乗車した全区間の運賃が請求されます。区間をはみ出して乗車した場合も同様です。
その他、東京メトロ千代田線の北千住～綾瀬間にも乗車できますが、常磐緩行線に乗らない限りはこれが問題になることは殆どないでしょう。この問題についてはこちらが詳しいです：
その他、運休などによる振替輸送により私鉄に乗車できる場合もあります。こちらもケースバイケースであり、運休が発生したからと言って必ずしも私鉄に乗れるとは限りません。
私の話ですが、以前、山手線が運休した際、奇跡的に青春18きっぷで東京メトロに乗車できたことがあります。後にも先にも青春18きっぷで東京メトロに乗ったのはあの一回だけです。
おしまい
このように、基本的には青春18きっぷで新幹線に乗車することはできません。どうしても乗車する場合には別途乗車券と特急券が必要である点に留意してご利用ください。
青春18きっぷについてはこちらも併せてご覧ください。
