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【改悪】青春18きっぷの仕様が変更、連続使用に制限。 – 今後の影響を解説&考察

概要

青春18きっぷ。今や鉄道ファンの中でその名を知らぬ者はいません。一日あたり2410円(2024年10月時点)という低価格でありながら、JR全線の普通列車が乗り放題になる切符です。鉄道ファンのみならず、格安で旅行ができる切符として老若男女問わず多くの人に愛され、使われています。この切符の詳細については以下の記事で詳しく解説しています。

さて、この青春18きっぷについて、本日(2024年10月24日)、衝撃的なニュースが飛び込んできました。なんと、2024年冬季の青春18きっぷについて、複数人利用を不可とし、連続使用に制限するとJRが発表したのです。これまでは1月3日と1月6日に使う、といったように飛び飛びの日に使用できたのに対し、これからは1月3日に使用開始したら、その後の連続使用を余儀なくされるのです。これは利用者の利便を考えると改悪と言わざるを得ません。なお、料金に関する変更はありません。

本件の概要

この変更が与える影響は我々利用者にとって甚大と言わざるを得ません。したがって、この問題に関して解説したYoutube動画を作成しました。以下より視聴できます。かなり緊急性が高く、十分な制作時間が取れなかったため、動画時間がやや短いことにご留意ください。

今後の影響

さて、この変更に関して様々な方面に影響が及ぶことが考えられます。以下では、これについて論じていきます。

利用者の視点

当然ながら、切符の利便性が低下するわけですから、切符を使った旅行自体柔軟性が低下します。これによって「飛び飛びの日になら旅行に行けたけれど、連続日に旅行に行くのは難しいから旅行をやめよう」と考える層(特に平日に仕事がある人)が青春18きっぷの使用を控え、これに伴って切符の売り上げが下がることが考えられます。

とはいえJR全体の売り上げ収益に占める青春18きっぷの売り上げはそれほど大きくないことを考慮すると、青春18きっぷの売り上げが多少下がったところでJRとしてはあまり困らないのでしょう。

販売者(JR)の視点

一見するとこの条件変更は販売者に殆ど良い影響を与えないように思えますが、一つ、大きな影響があります。それは、この条件変更によって青春18きっぷが自動改札機に対応するようになったという点です。これに伴って、これまでは利用者の改札通過時に現場で一定の作業負担(切符の確認作業)が生じていたところが、これからは利用者が各々改札を通るようになり、負担がなくなります。これは、昨今JR各社が進めている省力化の流れを考えると、(JRにとっての)メリットといえるでしょう。

おそらく、こうしたメリットが売り上げ低下に伴うデメリットを上回ったと判断された結果、今回こうした変更が施されたと思われます。

転売者の視点

青春18きっぷが連続使用に制限されることになった結果、これを転売する場合にも一定の制限が加わります。というのも、これまでにあった「(季節内の)好きな日に使用可能である」という商品価値が損なわれ、「指定の日にしか使えない切符」になることで切符そのものの価値が大きく下落し、これまでのような価格や頻度で青春18きっぷが取引されることはなくなるでしょう。これによって金券ショップ等で青春18きっぷが販売されることも大きく減ると思われます。これは北東パス(後述)などを見れば分かることです。

その他の影響

ところで、使用を連続日に制限している切符を他で見たことがある気がしませんか?

そうです、「東日本&北海道パス」、通称「北東パス」です。

この切符は以前より、一日当たりの値段が安いことと引き換えに連続使用を余儀なくされることがデメリットとして挙げられてきました。しかし、今回青春18きっぷが連続日使用を強制することによって、相対的に北東パスの価値が上昇すると期待されます。事実上、デメリットとされてきた特徴が一つ減るわけですからね。

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